基本設計に先立ち、建主からの要望や法的条件、
敷地と周辺環境の調査を行います。
私達の家づくりの目的は、
その地域の自然環境と社会環境に
いかに持続的調和できるかにあります。
環境調査を基につぶやきながら
あれこれ手を動かし考えます。
手を動かす事は考える事ですから、
様々なアイディアや間取り構成が記録されてゆきます。
そんな作業の中で原型が固まります。
エスキースをオンスケールで作図します。
この時建主には、手持ちの家具などのリストを作成してもらいます。
それをプランに盛り込み、模型づくりを経て私達の提案をします。
建主からのフィードバックに依り決定までこの作業は繰り返されます。
ここまでで、 約3ヶ月ぐらいかかっています。
基本設計図だけでは工事は不可能ですので、
それを基に詳細設計作業がここからスタートします。
途中建主へ経過報告や新たな要望なども盛り込みながら、
つくる為の設計図書が描き上げられます。
基本設計開始から延べ半年ぐらい、
ここまでたどり着くのに時間を要します。
詳細形状や軸組検討用の模型づくりも行いながらの作業だからです。
息つく暇なく、申請作業と積算監理業務が待ち受けます。
実施設計図書を工事会社に発行、積算と見積を依頼します。
2〜3週間で見積書はあがってきますが、内訳を査定させていただき、
予定予算に見合うまで、 仕様調整作業を繰り返します。
通常、見積依頼後2〜3週間は工務店からの質疑応答だけですので、
この間を利用して諸官庁などへの申請手続き作業を行います。
概ね実行予算と仕様が固まった段階で建築確認申請を行います。
工事者確定と役所申請認可を受け、
工事会社と最終仕様等の確認を行い、
建主と工事契約をしていただきます。
最近は品確法やその関連法施行に伴い、
性能保証的説明もかかせません。
上棟まではスポット的に要所の現場立ち会いや材料の品質検査、
施工図等のチェックバックを行いつつ、
木造の場合は加工場での各種仕口加工の指導等に出向きます。
上棟後は週1のペースで現場 定例会を設けます。
ここでの議題は全て監理記録としてまとめられ、
三者(監理者・建主・ 施工者)間で共有します。
定例会には、建主の参加も大いにお勧めするところです。
現場作業の安全管理の基本は清掃及び衛生管理にあると考えています。
空き缶やタバコのポイ捨ては絶対許されるものではありません。
本来監理者が口を出すところではないかもしれませんが、
私達は例外です。
清掃のいきとどいた作業所は誰もが気持ち良いはずだからです。
建築は様々な建材、特に既成部材を無視する事ができません。
工程の進捗状況に依り、建主からの追加要望や発注部材の最終確認を、
カラースキムボード等を作成しながら建主と共に決めていきます。
竣工に先立ち、各種最終検査が繰り返されます。
役所検査、建主検査、そして私達の監理検査を経て、
建築に新しい命が宿ります。
これを多くの人達にお披露目するためにオープンハウスを開催、
様々な意見もいただいております。
あとは暮らしの道具として楽しくお付き合いいただくよう、
地域環境も願いを込め、 お引渡しいたします。