べっとう
東京都大田区
- 敷地面積
- 94.78m²(28.67坪)
- 建築面積
- 46.91m²(14.19坪)
- 延床面積
- 76.98m²(23.28坪)
- 竣工年
- 2024.08
- 構造規模
- 木造軸組構法
- 地上2階建
- 施工
- 江中建設
- 撮影
- 吉田誠
所謂「別棟」の大工事情。
3間に尺足らずの間口と奥に5間の間取り。道路に4寸流れの淡路瓦葺きを見せながら、単純な容積的風体とした。都合台形断面の間取りは、2階を小屋裏板の間にしながら、暮らしの殆どを1階に集約した。一人暮らしの間取り方は、母屋の家族たちや知人たちも大勢集まれる間仕切りにもこだわりながら、陽光通風もスムーズに受け流している。屋台骨は底盤天竜羽柄氏天然乾燥杉桧で賄うことは言うまでもない。久々手刻み段取りを委ねた棟梁の腕前は衰えを知らず、小規模ながら木は木で組む充実表現を見逃さない。一方、現在大工と名の付く職人の減少が著しい。とりわけ墨付け刻みをこなせる大工となると、ほんの一握りが木造会の現実。木材乾燥から刻み、接合部仕掛け河口まで、時短簡略機械化を受け入れてしまった以上、大工いらずの経済木造時代も受け入れざるを得ないのだろう。拘りといえばそれまでだが、刻み大工のいる限り、設計責任としても刻める大工棟梁の木造を続けたい。