木踊館
もくようかん
山形県村山市 にっとう歯科医院
- 敷地面積
- 2,354.00m²(721.08坪)
- 建築面積
- 329.09m²(99.54坪)
- 延床面積
- 371.96m²(112.51坪)
- 竣工年
- 2023.12
- 構造規模
- 木造軸組構法
- 地上2階建
- 施工
- 升川建設
- 内観撮影
- 長岡信也
地材地建が誘う「あんばいいいいいん」づくり
年老いた両親も通う、郷里地元地区の歯科医院の移転計画。既存施設が手狭になるほどの人気クリニック。技術は言うに及ばずドクターの人柄がその理由。建築はその要素を温かく包み込む容積間取りにしないといけない。木を「編み組み纏う」が建築テーマ。ない足回り材は、天竜天然乾燥桧を調達。あとは裏山西山杉を大江町製材組合で挽いてもらうこと120㎥あまり。編み組む屋台骨から羽柄材、纏いの板材まで全て天然乾燥西山杉で室内空気環境を整えた。圧巻は小屋組み吹き抜け。治療中患者はほぼ仰向けで天井を見上げている。そこに「編み組み纏う」木の構成を楽しんでもらう、「踊り小屋束」組が建築的見せ場。患者の不安解消に少しでもつながればとの想い。また、目に入るすべての木は完全地場産材。ここはコミュニテイサロン的クリニックとして、地域のコア機能を発揮する場所になることも意図している。郷里地元地区の新しい風景になるクリニック風体からも、裏山の木と木造建築、その空気を語り継げる存在であってほしい。