ワタツミウス
千葉県船橋市海神 小関さんのすまい
- 敷地面積
- 133.80m²(40.39坪)
- 建築面積
- 53.07m²(16.05坪)
- 延床面積
- 98.23m²(29.71坪)
- 竣工年
- 2020.08
- 構造規模
- 木造軸組構法
地上2階建 - 施工
- 渡辺冨工務店
- 撮影
- 吉田誠
環境資源を活かした、コンクリートな家づくり
かつて東京湾を一望したであろう下総台地のエッジにのっかる場所が海神の家づくり。散歩、飽き知らずの路地の絡み合いが面白いまち。旧家屋敷の一部を分けてもらう形で、新たな家族の住まいをそんな路地に馴染ませる計画。建て主たっての要望で、プランニングはずっとコンクリート造で進んだ。家庭の事情は、何処でもそれぞれ様々それなりに。結果木の家づくりで建築的竣工を迎えた。工事コスト高止まりの時代を嘆いても仕方ない。その結果としての木造も、我々が関わる以上何の不足も不満もない。コンクリートの間取を、そのまま木軸間取り変換に合理性を探る。まさかのこんなことを予測、木造モデュールでコンクリート間取りをしていたことが日の目を見ることに。コンクリートに拘る建て主イメージに少しでも近づけるべく、コンクリートな家づくりを木造で仕立て上げた。小さな前庭コートを仕切るコンクリート壁は、木造本体と分離独立させている。2階は間口一杯カーテンウォール的窓割りとし、南屋敷庭を完全借景に納めた。リビングの吹き抜けをバッファーに、手摺兼用のワークデスクは、風景の下枠見切りとしてパノラマビューを引き立てる。容積は、ほぼワンルーム化としながら、家事様々もそれぞれにコーナー的使い分けが計れる定番間取りとした。ワタツミは海の神。潮はずっと向うに引いてしまったけど、残った陽と風は、これからの暮らし向きと温熱環境づくりの、ありがたい資源になる。